歯科技工士の作る人工乳房

　現在年間4〜5万人が乳がんに発症、実に日本人女性18人に1人が罹患する計算になります。一方乳房切除術が1万7022例(2009年)行われ、うち再建術が１０％の約1700例となっています。つまり約1万5000名の患者が乳房切除後欠損部に対してタオルを詰めるなどにより、外形を維持する対応を余儀なくされているのです。
　これらの問題を解決する一つの方法として、エピテーゼ(人工乳房・人工乳頭)が製作されています。エピテーゼの製作方法は、まず患者患部の印象をアルジネートなどにより型採りし、石膏注入後、粘土などにより概形を製作しまする。その後型合わせ・色合わせなどを行ない、シリコーンに置換して完成させます。ところがこれらの作業は歯科技工が行っている業務にきわめて近似しているのです。
　現在人工乳房などのエピテーゼを製作するにあたっては特別な資格は存在していませんが、歯科技工士学校の一部の養成機関でもすでに実習が行われています。
　歯科技工士の能力を生かして製作する人工乳房を一度ご検討ください。